ウィメンズクリニック神野

ご挨拶

 私は体外受精・顕微授精が大好きです。1983年に体外受精を初めて学んで以来39年間、そのすばらしい有効性と科学的な特性に絶えず魅了され、臨床と研究に邁進して参りました。気が付けば約9000人の体外受精・顕微授精を行い、私の体外受精でお生まれになったお子さんの自然妊娠・出産をも経験しました。好きこそ物の上手なれで、不妊治療がとても上手になりました。他院で20回以上も失敗した方、46歳の方など、難治症例も救えるようになりました。しかし今でも、外来で何年も妊娠できない患者さんが、たった一回の体外受精・顕微授精で妊娠されるのには、感嘆の念を禁じ得ません。
 培養液, 培養法の改善、より有効な顕微授精装置の発明、妊娠率を増加する様々な排卵誘発法の開発など、絶えず斬新に臨床成績の向上に努めました。22年前、不妊は糖尿病を含むインスリン抵抗性症候群のひとつで、不健康の初発症状であると気づき、生活習慣の是正と糖代謝治療を導入し、治療成績が飛躍的に向上しました。

 現在、当院には多くの重症不妊の方が来院され、体外受精患者さんの75%が40歳代です。重症不妊と日々奮闘し、46歳以上の妊娠・出産も達成しております。こうした難治症例に対する努力は、35歳以下の不妊患者さんに対しては、一回の採卵術の妊娠率が60%に達するほどの目覚ましい進歩をもたらしました。
 ウィメンズクリニック神野でこのように最高の体外受精・顕微授精が可能なわけは、患者さん一人一人に合わせたオーダーメイドの排卵誘発法、完璧な技術、そして何より、スタッフ一同の妊娠達成に対するあふれる情熱とたゆまぬ向上心のためと考えます。さらに長年の真摯な臨床努力から、多くの医師も患者さんも忘れている大切なことに気づいたからです。それは“健康で幸せなカップルに子供ができる”ということです。卵と胚を育てるお母さんが幸福で心底安心しているときに妊娠は訪れるのです。
 ウィメンズクリニック神野は、最高の科学的な臨床を常に目指しております。

2022年 吉日 院長 神野正雄

院長略歴

1980年 慶應義塾大学医学部卒業,同産婦人科入局
1983年 慶應義塾大学大学院入学,体外受精を開始
同年 京都大学農学部に国内留学,体外受精の基礎を学ぶ
1984~86年 荻窪病院産婦人科に出向,体外受精に従事
1985年 日本最初の体外受精による双胎妊娠に成功
1986~88年 米国Eastern Virginia Medical Schoolに留学,卵成熟の研究
1988~91年 慶應義塾大学病院で体外受精に従事
1989年 慶應義塾大学大学院卒業,同産婦人科助手
1990年 Charles Thibault Honorary Lectureship賞を受賞 (卵体外成熟)
1991〜2004年 杏林大学医学部産婦人科で講師そして准教授として体外受精・顕微授精
1993年 顕微授精を開始、妊娠に成功
1997年 無精子症に精巣精子採取術 (TESE) を開始、妊娠に成功
1998年 世界体外受精会議記念賞を受賞 (子宮内膜組織血流量による子宮着床能評価)
2002年 ウィメンズクリニック神野 開院
2011年 世界体外受精会議記念賞を再び受賞 (終末糖化産物低下による新しい卵巣機能治療戦略)
2018年 ウィメンズクリニック神野 生殖医療センター 開院