ウィメンズクリニック神野

治療方法

体外受精・顕微授精・精巣精子採取術について

概要

 体外受精(IVF)、顕微授精(ICSI)、精巣精子採取術(TESE)とは、卵と精子を体外で受精させ、その受精卵を子宮に戻して妊娠を達成する不妊治療法です。体外受精は、卵と精子が培養液中で自然に受精するのを待つ方法で、正常男性または軽症男性不妊で用います。顕微授精は、顕微鏡下にガラスの細いピペットを用いて1個の精子を卵に注入して受精させる技術で、重症男性不妊で用います。精巣精子採取術は、無精子症で精巣より精子を回収する技術で、この精巣精子を用いて顕微授精を行い、妊娠を達成します。従来の方法で妊娠が不可能であった多くの不妊症が、今ではこれらの治療法で妊娠可能となりました。

 まず排卵誘発剤の注射を毎日受け、複数の卵の発育を刺激します。ホルモン採血、超音波検査を繰り返し、卵がもっとも成熟した日に、麻酔下に採卵します。採れた卵はご主人の精子と体外で受精させ、子宮に戻します。黄体ホルモンを毎日注射し、採卵後14日目に妊娠しているか判定します。

実際のスケジュール

1体外受精/顕微授精に必要な診察、検査を受けた上で、体外受精/顕微授精をする月を予約します。

2直前の高温期4日目より採卵2日前まで毎日、御自分で1日3回鼻にスプレーをします。

3生理開始の3日目頃より約7~10日間位、排卵誘発剤(hMG)の注射を受けます。超音波検査、血中ホルモン測定により卵の発育・成熟を観察し、採卵日を決めます。

4採卵の2日前までに御夫婦で体外受精/顕微授精の説明を聞いていただき、その上で同意書をいただきます。

5採卵は日帰り入院で行います。採卵は1時間程度、その 後約1時間の安静を要します。採卵は、麻酔下に、卵胞(卵の入った水胞)を超音波で見ながら膣より穿刺、吸引して行います。卵は、細心の注意のもとに体外受精/顕微授精により御主人の精子と受精させます。採卵日と翌日は安静となります。

6体外受精/顕微授精した卵は2~5日間培養後に、子宮に戻します(胚移植)。
1時間ベッドで休んで帰宅します。

7胚移植の日より9~12日間、黄体ホルモンの注射を受けます。この注射は、お近くの病院で受けても結構です。

8採卵後10日目と14日目に採血を行い、妊娠を診断します。